新素材の授業
3月に入り、中学校も公立高校入試と卒業式が目の前に迫ってきた。
理科の教科書の最後の方は、入試問題として出題されることはあまりないが、環境のことやエネルギーのこと、新素材のことなど、これからの地球規模の課題を取り扱っている。
2月中旬、「新素材」についての授業を行った。
生徒にとっては物珍しく、結構あちこちで歓声が上がった。
まず、手品を見せた。
1.白い紙コップの中に何も入ってないことを見せる。
2.紙コップの中にビーカーの水を入れる。
3.紙コップを片手で持ち、タオルを掛けしばらく揺らしながら呪文を唱える。
4.タオルを取り、ゆっくり紙コップを傾けると、中に入れたはずの水が出てこない。
5.みんな「あれっ」と不思議がる。
どうしたことでしょう。(答えは後で)
左の写真は、「形状記憶合金」である。
ただの針金かと思いきやお湯につけるとたちまちクローバーの形になってしまった。
テニスラケットや釣り竿で使われている「炭素繊維」。
包丁やスペースシャトルのボディーに使われている「ファインセラミックス」。
今は人工関節や人工骨、歯(1本6万円)にも使われているそうだ。
実際に卵を高いところから落として割れないことを証明して見せた「衝撃吸収ゲル」。
数ヶ月で水中や土中の微生物が分解してくれる地球に優しいプラスチック「生分解性プラスチック」。
他にいろいろと見せたり、生徒にやらせて確かめさせたりした。
生徒の歓声が、気持ちいい授業だった。
はじめの手品の種明かし。実は紙コップの底にスティックのりで「吸水性ポリマー」を貼り付けていました。
白い粉なので、遠くから見せても生徒にはわかりません。
この「吸収性ポリマー」は、紙おむつ等に使われています。
揺らしている間に水を吸って固まってしまったので、紙コップを傾けても何も出てこなかったのです。
| 固定リンク
コメント