ドッグフードを使って
「動物の生活と種類」の授業で、私の中学校のある理科の先生が、肉屋から豚の内臓を取り寄せ、生徒に見せていた。血の付いた肉の生々しさに、生徒は最初びっくりするが、息を吹き込んで肺を膨らませたり、ものすごく長い豚の腸を見たりすると、生徒は新しい発見という意味の驚きの声を上げる。ただ、夏場は肉が傷みやすく、時間割の関係でなかなか全てのクラスに同じ条件で見せる事が難しい。
そこでドッグフードである「鶏頭水煮」の登場である。
(ちょっとばかりの見る勇気と好奇心がある方は続きを)
大きめの缶詰を開けると、中に鶏頭が7~9個入っている。それほどいやなにおいではない。むしろシーチキンのようなにおいがする。この「鶏頭水煮」は活動犬のためのドッグフードとラベルに書いてあるが、これを「動物の生活と種類」の授業で使う。
缶詰から取り出すと、形そのままなのでギョッとするが、指で簡単に鶏頭を崩す事ができ、脳や視神経を取り出して観察できる。缶詰は手頃な値段で、いつでも手に入れる事ができ、7~9個入っているので、各班で実験、観察ができる。
写真では、黒く見えるところが視神経である。鳥類だから脳は小脳が発達しているのかな?
田舎では昔、家に鶏を飼っていて、お祝い事があるときは鶏を潰してご馳走にしていた。鶏のからだ全てを無駄なく、いただいていたそうだ。私の家も私が小学生の頃まで、そうしていた記憶はある。鶏肉といえば、最近ではスーパーで(ささみ、砂肝、モモ、手羽先など部分ごとに)パック詰めにされているものを買ってきて料理をする。料理の手伝いをする中学生でもその『部品』がどんな風にくっついていたか知らない場合がある。鳥の絵を描かせたら4本足の鳥を描いたりする生徒もいると聞く。そういう動物を知らない生徒に、水煮にはなっているものの実物を持ってきて、間近に「本物」を見せる授業は必要だと思う。
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コメント
普段何気なく口にしているモノたちの本来の姿。
鳥のから揚げやお刺身から鶏や魚の全体像を想像するのは難しいですよね。
イノチの重みが分かってないのか死に対する概念が不足してるのか、薄ら寒くなるような事件が相次いでますよね。。。
死んじゃったら生き返らないし、切られたら痛いんだよ。。。
生きてる実感もわいてないのかも。
投稿: みゆ | 2005/07/01 11:38
とってもいい方法ですね~!
私は選択授業で心臓や肺、眼球の観察&解剖をするんですが
今年はこの方法で試してみようと思いました。
投稿: Manbow | 2005/07/01 17:41
みゆさん。
本当に近頃、未成年の「命を軽視しているような事件」が相次いでいます。
中高生の学力問題もさることながら、幼小の就学時教育、初等教育のあり方、また若い親への教育が重要ではないかと思います。
人間が人間らしく生きられる世の中であって欲しいと願います。
manbowさん。
本当にいつでもどこでもという感じで実験できます。
ただ、やはり鶏頭なんで、小さいかなあと思います。少人数班での実験ならばいいと思いますよ。
投稿: みっつー | 2005/07/01 23:59