骨折り損

私は学年会計（＝生徒が学校で使う学習教材や文具、学校行事で必要な費用、アルバム代、卒業記念品代などを扱う会計）の仕事を持っている。職員室で、他の先生方と校納金の話をしていたら、昨年の修学旅行費をまだ納めていない家庭もあると言う話になった。

「修学旅行と言えば、修学旅行費を納めたのに行けなかった生徒もいたね。」
「そうそう、修学旅行の前日にバッグに入ってるはずのタオルがなくて、放課後、取りに帰った○○君。」
「あのとき急に雨が降ってきて、びしょ濡れになりながらタオルを持って来たまでは良かったけど、そのあと熱を出して、修学旅行に行けなかったんだよね。」
「かわいそうだったね。」

「一昨年は、骨折して行けなかったという生徒もいたらしいよ。」
「えー、そんな話は聞いてなかった。どんな内容？」
「うん、やっぱり修学旅行の前日、自転車に乗って修学旅行のお菓子を買いに行った帰りに、自転車ごとこけて、腕を骨折したんだって。」
「手術しなくちゃいけないくらいだったから、結局修学旅行には行けなかったんだって。」
「ふーん、それもかわいそうだけど、お菓子を買いに行った帰りになんて、笑ってしまう。」
「まさしく文字通り、骨折り損のおかしかった（＝お菓子買った）話だね。」

こんな落語みたいな落ちをつけていいのだろうか。