学習塾の進路指導
12月の初めに三者面談が終わって、ほとんどの生徒は自分が受験する高校を決め、目標に向かってさらなる努力をしている。一部の生徒は三者面談でも親子の意見が合わなかったり、再度家族会議をして決めなおすということもある。しかし、数日後はその生徒達も受験校を決め、目標に向かって歩き始める。
しかし、2学期も終わる頃になって、突然受験校を変更したり、新たな受験校を追加する生徒もいる。それはどうしてなのか?
原因は、学習塾の進路指導にある。中学校にとって、この学習塾の進路指導にみんな憤慨している。受験校を変更した生徒や親からは、時々「塾から、この高校も受験したらと言われました。」とか、中学校の三者面談では出なかった進学高校をこっそり受験しようとしている生徒もいると聞く。
学習塾は、昨年以前の受験データを集め、塾で行っている実力テストによって、生徒を点数輪切りにして、できるだけその生徒が入れそうな学力が高いと思われる高校を受験するように勧める。そして、その受験結果を来年のデータにし、自分の学習塾への生徒獲得手段として宣伝に使う。「○○高校□□名合格!」という具合に。
ここで問題なのは、学習塾の進路指導は、受験する生徒の立場に立っていないということだ。特にできる生徒には、学習塾が受験料を出してあげて、有名私立高校を受けさせるという。受験校が多ければ、それだけ生徒には負担も大きい。
また、同じ受験高校でも普通科進学コースより、学力的に難しくても普通科特進コースを受けさせようとする。(三者面談で決定していても、それを覆させてまで)
学習塾の面談後に受験校を変更する場合のほとんどは、学習塾の営利目的のために利用されているだけなのに、親も生徒もなぜか「学習塾の面談で言われたから・・・」と学習塾の進路指導を真に受けてしまう。
中学校には、早い時期から高校の先生が挨拶に来られ、その話の中で私たちは今年の入試の変更点やレベル(難易度)のニュアンスを受け止め、進路指導に生かしている。中学校では、そのニュアンスから生徒の志望高校が合格になりそうか不合格になりそうか高い確率でわかる。不合格になりそうならば、もう一つほぼ安全な高校も受験させる。逆に、学習塾の方が慎重な進路指導になり、生徒が希望している高校を受験させないということもある。
そして何より学習塾がいくら努力してもわからないのは、中学校で作る調査書の内容だ。受験合否の半分?をしめる調査書の評定(各教科1,2,3,4,5点の9教科計45点満点)は、中学校でその生徒が日頃努力した結果だ。
私は過去の進路指導で、ある受験生に言ったことがある。「塾と中学校とどっちを信じる?どっちが確かと思う?」と。
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コメント
都会では、塾はそこまでするんですね。
驚きました。
富山は公立志向が強いので
公立に落ちたら私立に行くって感じなので
複数の私学を受験することはないですね。
もっとも、県内の私立入試日は、
私学が統一しているので不可能なのですが…。
それでも、塾のは進路指導じゃなく入試指導だと思うことはたくさんあります。
投稿: いお☆ | 2005/12/24 23:33
いお☆さん。
本当に学習塾は進路指導ではなく、入試指導になっていて、こちらが準備している願書が無駄になったり、別の高校の願書を急に準備しなくてはいけないことになったりと大変です。
福岡県の私立高校は、福岡地区で入試日が統一されていますが、前期、後期と大学入試みたいに2回チャンスがあります。
また、北九州地区、筑後地区は別の入試日になっていて、近県の佐賀、長崎、鹿児島などの有名私立高校を受験する生徒も若干名います。
投稿: みっつー | 2005/12/25 07:51