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2006/05/10

リレーきょうそう

運動会(私の中学では体育祭ではなく、運動会といいます。)を前にして、それに関連する道徳の授業を行いました。

「リレーきょうそう」という題で、牧口一二さんが小学校時代の体験をもとに書いた作品です。障害児教育自主教材「どんどん」に載っています。

リレーきょうそう

Img_3113_2「てっちゃんがいるから、
いつもぼくらのチームが
まけるんや」
と、みんなは、てっちゃんを
なかまはずれにしました。

てっちゃんは、大きなこえで
なきだしました。

みんなは、きこえないふりをして、
リレーきょうそうをしました。

てっちゃんがぬけたので
そのチームは、はじめてかちました。

最初に読んだ感想を書かせて、数人に発表してもらいました。
その後、一番印象に残ったところに線を引かせ、どうして印象に残ったのか聞きました。
「リレーきょうそう」の挿絵には、ネズミが徒競走を終えた場面があります。持っている着順旗の番号をあらかじめ消して印刷し、吹き出しをつけ、ネズミの表情から誰が何番でどう言っているか考えさせた。
いろいろとおもしろい意見が聞けた。「一番左のネズミが頑張った様子があるので一番。」「真ん中のネズミは泣いているから5番。」「一番右のネズミは満足そうだから2番。」・・・。
最後に、運動会本番やその前の取り組みにどのような気持ちで参加しようと思うか書かせた。

「本番で実力がMAXに出せるように、今年の1年生すごいねって言われるように毎日の練習に力を入れて頑張ろうと思う。リレーでその人のせいで負けたって言ったらいけないと思った。」
「勝ち負けにこだわらずに楽しい運動会にするという気持ちで参加したい。運動会はとっても団結力が必要だから、みんなで助け合い、励まし合えるといいと思います。」

心を揺さぶる質問として、「満足した表情のネズミがいますが、あなただったらどんな時に満足しますか。1番を取ったとき?それとも・・・。」
生徒は、実力が発揮できたとき、楽しかったとき、一生懸命やれたとき、頑張ったねと言われたとき、・・・。それでなおかつ1番が取れれば申し分ないのでしょうが、必ずしも1番を取ったときとは限らないようです。
「それじゃあ、満足できる運動会にするには?」という最後の発問で、運動会本番やその前の取り組みにどのような気持ちで参加しようと思うか書かせたわけです。

本来、障害児教育の教材ですが、学級には足の速い子も遅い子もいます。遅い子を仲間外しにするのではなく、どうしたら一緒に楽しむことができるかを考えさせたかったのです。そして、取り組みの時に協力したり励まし合ったりして、運動会当日誰もが自分の力を十分発揮できたらいいなと思います。

ところで、ネズミの徒競走の着順は、左から1,2,3,4,5位←(クリックして反転してみてください)の順番になります。これを聞いて生徒は驚きの声を上げました。5位でも一生懸命頑張って満足したんだね。

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