学校司書の先生から「こういうポスターはいりませんか。」と問いかけられた。
学校の図書室に貼るポスターとして、ヒトゲノムマップが届いたそうだ。
「あまりにも難しく専門的なものなので、図書室に貼るよりも理科室に貼ってください。」というわけで、こ のポスターをいただきました。
小さな字で書かれてあるので、理科室に貼ってしまうとなかなかじっくり見ないと思うので、貼ってしまう前に見てみた。
ヒトの染色体は46本あり、長いものから順に1~22番と名付けられた22種 類の常染色体とXおよびYと呼ばれる性染色体があります。
男性は常染色体を2セットとX、Yを1本ずつ、女性は常染色体を2セットとXを2本もっています。いずれの場合も合計は23対、46本になります。
私たちは父親と母親から23本ずつの染色体を受け継いで生まれます。
それぞれの染色体には、長い二重らせん形のDNA(デオキシリボ核酸)が1本ずつ折り畳まれて収納されており、23本すべてをつなぐと1mにもなります。
ゲノムとは、この23本のDNAに含まれる遺伝情報全体(すべての遺伝子と非遺伝子領域を合わせた情報)のことなのです。
ヒトゲノム全体に含まれる遺伝子の数は、約26800個であると推定されています。
それぞれの遺伝子情報を見ていくと、興味を引くものがありました。
第7染色体上・・・FOXP2(発話と言語に関わる遺伝子)、同じ遺伝子をヒトとチンパンジーで比較すると、2塩基のみが異なることがわかっており、この差がヒトに優れた言語能力をもたらした可能性がある。
第9染色体上・・・ABO(ABO血液型遺伝子)、赤血球に目印をつける酵素。
第12染色体上・・・ALDH2(アルデヒド分解酵素2)、お酒に弱い人は、この酵素のはたらきが弱い。
第17染色体上・・・PER1(体内時計調節タンパク質)、体内時計をコントロールするタンパク質。睡眠、血圧、体温などのリズムを約24時間周期で調節している。
第21染色体上・・・SOD1(活性酸素除去酵素)、活性酸素を除去する酵素。活性酸素はDNAにキズをつけて細胞をがん化させたり、生体組織や細胞にキズをつけて老化させたりする。
このヒトゲノムの研究を病気の診断や治療、薬の開発などに加え、農業、環境、工学などの分野で新技術の開発や異分野間の融合研究などが進みつつあるそうだ。
でも遺伝子治療をして本当の自分でなくなるんじゃないかという疑問やクローン動物をつくったり、遺伝子組み換え作物を作ったり、何か危険な感じもしないでもない。
倫理より技術が先に行かないように、 みんなの目が大切だと思いました。
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