テレビを見ていると最近、バラエティ番組やニュース番組などでテロップ(昔は字幕って言ってたなあ)が出てくることが多くなった。
聞き逃した時などはテロップを見れば、理解できるので助かる。また、バラエティ番組では、テロップを出すことの効果(字体を変える、大きくする、繰り返すなど)がおもしろさを倍増させているようでもある。テロップを無意味に出し過ぎるのはいただけないが、テレビを楽しむ分には、良いことだと思っている。
しかし、このテロップが間違っていたら、折角の効果も台無しである。台無しどころか時には怒りさえ感じることがある。テレビ番組はマスメディアとして、一瞬にして各地の老若男女問わず、たくさんの人の目に触れることになる。小・中・高校生は、テレビのテロップの文字、言葉遣いが正しいと思いこんで、日常の言葉として使ったり、作文に書いたりする。生徒の話を聞く時や実験レポートを点検する時など、ため息が出てしまう。授業の合間に私は正しい書き方を教えているが、とても追いつかない。国語科の先生にとってもそうだと思う。
特に気になるものがいくつかある。
①「話」という字。”はなし”という言葉を「話」と単独で書くと名詞で、「話し」と送りがなを入れると動詞になるのがこの言葉、テロップでは「○○と話しをする。」と出たりする。この場合、名詞の”話”なので、「○○と話をする。」が正解になる。
②「こんばんは、こんにちは」という字。話言葉では、「は」も「わ」も同じ発音であるが、テロップにすると「こんばんわ、こんにちわ」という間違いが実に多い。
③「ら」抜き言葉。日常会話で「ら」抜き言葉になっている人が多いので仕方ないのかなあ。私は日常会話でも努めて「ら」抜きをしないようにしている。
ここ1~2ヶ月で見つけたものに、
×「行事」→○「行司」(貴乃花報道の時)、×「卵を溶じる」→○「卵を綴じる」(料理番組)、×「以外と」→○「意外と」、×「今だに」→○「未だに」、×「変らない」→○「変わらない」、単純な間違いで×「そいうい」→○「そういう」。
まだまだたくさんあったが忘れてしまった。
もう一つ、テロップの間違いではないけど気になるのが、語幹だけで言うこと、×「遅(おそ)」→○「遅い」、×「熱(あつ)」→○「熱い」など。
テレビ局に就職するのもそう簡単ではないはず、テロップ関係に従事するスタッフ、アナウンサー、特にデスク(管理職)は放送する前にチェックしてるのかなあと思う。テレビに流すテロップや新聞上で字を間違っては、小・中・高校生が間違ったまま覚えてしまうおそれがある。日本語についてもっと大切にしてもらいたいと思う。
ちょっと調べていたらこんなサイトを見つけました。
第1回アンケート『全国高校生“イマドキの若者言葉”実態調査』最終結果、実際の高校の先生方の事例・意見
うん、うんと納得して読みました。
最近のコメント